こんにちは。咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。
会社経費に関する横領や不正行為について調べていませんか?

切手などの必要な物品の購入や、交際費の申請、接待にかかる飲食代(飲み代)など、経費の使用に関連して、横領行為や不正行為が発生することがあります。こうした経費の横領や不正は、時に高額になるケースもあり、発覚や対応が遅れると、十分な被害回復ができないことになりかねません。

このような事態を防ぐためには、経費に関する横領行為や不正行為にどのような手口があるのかを知り、経費が不正使用されないような防止策も講じておくことが大切です。また、実際に経費に関する横領や不正などの問題が社内で発生した場合、会社がとるべき正しい対応方法を予め知っておくことも必要です。

この記事では、会社における経費に関する横領や不正について、典型的な例を解説したうえで、実際に問題が発生した際の対応方法や、横領や不正を防ぐための対策もご紹介します。記事を最後まで読んでいただくことで、いざ問題が発生した際に正しい手順のもとすぐに被害回復に向けて動き出すことができるようになりますし、経費の横領によく使われる手口を理解し、その上でどのように防いでいけば良いかも分かるはずです。

 

「弁護士 西川 暢春」からのコメント弁護士西川
暢春
弁護士西川暢春のワンポイント解説

咲くやこの花法律事務所では、経費に関連した横領行為や不正行為が実際に発生してしまった場合の対応方法についてもご相談をお受けしています。

横領行為や不正行為が発覚した場面で、焦って自己流の対応をしてしまうと、証拠を十分に確保できず、被害回復が実現できなくなるおそれがあります。横領行為や不正行為が発覚した際は、自己流の対応をするのではなく、できるだけ早く横領や不正の被害回復に精通した弁護士に相談することが重要です。

咲くやこの花法律事務所へのご相談方法や咲くやこの花法律事務所によるサポート内容は、以下をご参照ください。

▶参考情報:「被害企業向け業務上横領のサポート内容」はこちらから

 

業務上横領に関するお問い合わせ業務上横領に関するお問い合わせ

 

1.経費に関する横領や不正の典型例について

経費に関する横領や不正の典型例について

会社経費に関する横領や不正の手口の典型例としては、以下のものが挙げられます。

 

  • (1)会社の経費で大量に切手や印紙を購入し、換金する
  • (2)取引先と共謀して自社に架空請求や過大請求をして利益を得る
  • (3)交際費に関する業務上横領や不正
  • (4)業務に関係のない私物の購入費を経費として請求する
  • (5)交通費の不正申請
    など

 

それぞれご説明します。

 

1−1.(1)会社の経費で大量に切手や印紙を購入し、換金する

会社の切手や印紙を使用済みなどと偽り、勝手に金券ショップなどで換金して自分の利益にするというケースです。

実際に、咲くやこの花法律事務所にご相談いただいたケースで、ダイレクトメール用に切手を大量に購入していたことを利用して、会社の経費で購入した切手を横領して換金していた例がありました。切手や印紙は容易に換金が可能であるため、横領の対象になりやすい傾向にあります。

 

参考

▶参考:咲くやこの花法律事務所の弁護士が被害企業からご相談をお受けし、切手を横領した従業員から被害の全額を回収した事案を以下でご紹介していますのでご参照ください。

従業員が横領した金銭について弁護士から内容証明郵便で支払いを督促し、約660万円全額を回収した成功事例

 

1−2.(2)取引先と共謀して自社に架空請求や過大請求をして利益を得る

仕入先や業務委託先などと共謀し、経費と偽って自社に架空請求をし、仕入先や業務委託先から、還流してもらって利益を得るケースです。また、仕入先や業務委託先などと共謀し、経費を過大請求して、本来の金額との差額を、仕入先や業務委託先から、還流してもらって利益を得るケースもあります。

これらのケースでは、実際にはかかっていない経費を請求するための架空請求書や、実際より高額に上乗せした請求書を取引先から自社宛に発行させる例がみられます。法的には業務上横領罪ではなく、詐欺罪にあたることが多いです。

 

1−3.(3)交際費に関する業務上横領や不正

交際費とは、取引先などとの会食費用や、取引先などに対するお中元・お歳暮にかかる費用、取引先との接待ゴルフにかかる費用などが該当します。

接待や商談とは無関係の私的な飲み代等について、接待と偽って経費として申告するケースや、取引先への手土産として個人的なものを購入したり、実際の接待にかかった費用を水増しするといったケースもあります。

交際費に関連する業務上横領や不正行為の典型例としては、以下のものが挙げられます。

 

  • 接待とは無関係な私的な飲食や遊興費を接待交際費などとして申告し、会社に経費負担させる
  • 接待にかかる領収書について、実際よりも高い金額に改ざんして、会社に経費申請する
  • 取引先への手土産として高額なワインなど必要のない過剰な支出を行い、その一部を自宅に持ち帰る
  • 同じ交際費の領収書を複数回利用して不正に経費請求する

 

1−4.(4)業務に関係のない私物の購入費を経費として請求する

会社の業務や商談とは無関係の個人的な私物の購入費を業務用と偽って会社に負担させているケースもあります。
これらについても法的には業務上横領罪ではなく、詐欺罪にあたることが多いです。

 

参考

▶参考:咲くやこの花法律事務所で被害企業からご相談をお受けして解決した事例の1つとして、会社経費で私物を購入し会社に損害を与えていた事例を以下でご紹介していますのでご参照ください。

弁護士会照会を活用した調査をもとに6000万円超の横領を自白させ、支払いを誓約させた事例

 

1−5.(5)交通費の不正申請

交通費の不正申請も、よくみられる典型的なパターンの一つです。

実際とは異なるルートを申告してより高額な交通費を請求するケースや、実際には行っていない出張の交通費を請求するカラ出張などの手口などが見られます。

 

2.経費に関する不正はどのような罪になる?

経費に関する不正はどのような罪になる?

では、経費に関する不正はどのような罪になるのでしょうか。

 

2−1.業務上横領罪(刑法253条)

小口現金の管理を担当する従業員等が、経費支出と偽って、管理している現金を着服したり、切手や印紙の管理を担当する従業員が切手や印紙を自分のものにしてしまうケースは、業務上横領罪にあたります。

業務上横領とは「業務上自己の占有する他人の物を横領すること」で、会社の金銭や備品など、業務上会社から預かっているものを着服する行為が該当します。

業務上横領罪の法定刑は、10年以下の懲役と定められています。

 

参考

▶参考:刑法253条

第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

・参照元:「刑法」の条文はこちら

 

参考

▶参考情報:業務上横領については、以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

業務上横領とは?構成要件や刑罰、会社の対応をわかりやすく解説

 

2−2.背任罪(刑法第247条)

仕入先や業務委託先などから個人的なリベートを受け取る行為については、背任罪が問題になります。

背任罪とは、他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背き、本人に財産上の損害を被らせたときに成立する犯罪のことです。

 

参考

▶参考情報:刑法第247条

第二百四十七条 他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

・参照元:「刑法」の条文はこちら

 

業務上横領罪と重なる部分がありますが、業務上横領罪の成立は「他人から預かっている物を不法に自分のものとする行為」に限定されているのに対し、背任罪は「任された任務に背いて損害を与える行為」です。判例上、横領罪と背任罪の両方に該当する場合は、より重い横領罪だけが成立します(大審院判決昭和10年7月3日)。

 

2−3.詐欺罪(刑法第246条)

詐欺罪は、「人を欺いて財物や財産上不法の利益を得る行為などに成立する犯罪」のことで、取引先と共謀して会社に架空の請求書を発行したり、実際には支出していない経費を申請したり、実際とは異なるルートを申告して交通費を不正受給する行為などは、詐欺罪に該当する可能性があります。

詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役と定められています。

 

参考

▶参考情報:刑法第246条

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

・参照元:「刑法」の条文はこちら

 

2−4.私文書偽造等罪(刑法第159条)、偽造私文書等行使罪(刑法161条)

経費に関する不正に際して、架空の領収書を作成したり、領収書の金額や日付を改ざんした場合は、私文書偽造罪や私文書変造罪に該当する可能性があります。

私文書偽造罪や変造罪の成立には「行使の目的」があったことが必要で、実際に、架空の領収書又は改ざんした領収書を使って、会社に経費の不正申告等をする目的があったことが要件となります。

法定刑は、有印私文書の場合は3月以上5年以下の懲役、無印私文書の場合は1年以下の懲役または10万円以下の罰金と定められています。

 

参考

▶参考情報:刑法第159条

第百五十九条 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
2 他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

・参照元:「刑法」の条文はこちら

 

また、実際に偽造した領収書を使って、会社に経費の支払いを求めるなどした場合は、偽造私文書等行使罪に該当する可能性があります。

 

参考

▶参考情報:刑法第161条

第百六十一条 前二条の文書又は図画を行使した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載をした者と同一の刑に処する。
2 前項の罪の未遂は、罰する。

・参照元:「刑法」の条文はこちら

 

3.経費の横領や不正に関する裁判例は?

次に、実際にあった経費の横領に関する裁判例として、刑事責任を問われた事例と、解雇の効力が民事訴訟で争われた事例を1つずつご紹介します。

 

3−1.総合病院の医薬品管理部長が病院の医薬品を不正に売却して刑事責任を問われた事例

 

高松地方裁判所判決令和5年10月23日

総合病院の医薬品管理部長が、病院の経費で購入した医薬品約400点ちかくを部下に指示して不正に売却させ、刑事責任を問われた事例です。起訴された被害額は2116万円でした。

 

●裁判所の判断

裁判所は、業務上横領に該当するとして、懲役3年、執行猶予5年と判決しました。

 

●判断の理由

裁判所は、以下の点を理由に、刑事責任は重いと判示しました。

 

  • 責任ある立場にありながら、医薬品の発注や管理体制に精通した立場を悪用したこと
  • 余分に発注して発覚を防ぐ工作をするなどして、常習的に犯行に及んだものであり、利欲的で、巧妙かつ悪質な犯行であること
  • 被害額が合計2116万円余りと高額であること

 

一方で、裁判所は以下の点は酌むことができる事情であるとし、執行猶予付きの判決を言い渡しました。

 

  • 被害病院に対し、余罪分を含め、一連の犯行の被害弁償として合計1億2000万円余りを支払い、共犯者も1000万円を支払っていること
  • 医薬品の一部は還付されていること
  • 前科がないこと
  • 罪を認めて反省していること
  • この職員の妻が監督を誓っていること

 

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暢春
弁護士西川暢春のワンポイント解説

業務上横領罪の刑罰の決定にあたっては、被害の金額や弁償の有無が重要な考慮要素となります。この事例では、被害額が高額でしたが、被害弁償がされていることなどを踏まえて、執行猶予付きの判決となったといえるでしょう。

 

3−2.出張費用を過大請求して懲戒解雇された事例

 

NTT東日本事件 東京地方裁判所判決平成23年3月25日

従業員が、日帰りの出張について、42ヵ月間のうちに合計70万円以上の出張費の過大請求をしていた事例です。このことを理由に会社が従業員を懲戒解雇したところ、従業員は不当解雇であるとして地位確認請求の訴訟を提起しました。

 

●裁判所の判断

裁判所は、懲戒解雇は有効であると判断しました。

 

●判断の理由

裁判所は、判断の理由として以下の点をあげています。

 

  • 本人が始末書で犯行を認めており、横領の事実も認められること
  • 本人に弁明の機会が付与されており、懲戒手続きに問題もなかったこと

 

このように、業務上横領による解雇が認められるためには、横領行為があった事実が認定される必要があります。さらに、懲戒解雇である場合は、懲戒の手続きに問題がないかも重要な点となることに注意が必要です。

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弁護士西川暢春のワンポイント解説

上記の裁判例では懲戒解雇が有効とされましたが、出張費用の不正請求事案でも、事案によっては懲戒解雇が無効とされることがあります。

例えば、日本郵便事件(札幌高裁令和3年11月17日)では、従業員が100回にわたり、社用車で出張したのに公共交通機関利用と偽り、旅費合計約50万円を不正受給した事案について、懲戒解雇が無効とされました。敗訴の結果、日本郵便は1700万円を超える支払いを命じられています。

懲戒解雇の判断は、必ず弁護士に事前に相談したうえで行うことが必要です。

 

▶参考情報:横領・不正請求の場面での懲戒解雇については、以下の記事も参考にしてください。

横領があったときの懲戒解雇や処分、退職金の扱いを詳しく解説

 

4.経費の横領や不正が発覚した際の対応方法について

経費の横領や不正が発覚した際の対応方法

では、実際に社内で経費の横領や不正が発生した場合、会社はどのような対応をするべきでしょうか。

会社としては、以下の手順で対応していくことになります。

 

  • (1)調査をして証拠を確保する
  • (2)本人からの事情聴取により横領を認めさせる
  • (3)懲戒解雇・普通解雇・退職勧奨等により雇用を終了する
  • (4)返済方法を協議する。返済に応じないときは訴訟を提起する。
  • (5)必要に応じて刑事告訴を検討する
  • (6)社内・社外への説明をする
  • (7)再発防止策を策定・実行する

 

この時、証拠の確保が不十分な状態で事情聴取をしたり、準備が不十分のまま事情聴取をしてしまうと、本人が横領を認めず、訴訟の提起が必要になってしまうケースもあります。そのため、証拠の確保や、質問事項を十分に準備したうえで、事情聴取にすすむ必要があります。

 

5.経費の不正を防止するためには?

経費の不正を防止するためには?

ここまでご説明したような経費に関する不正を防ぐ方法としては、例えば以下のものが考えられます。

 

  • (1)現金での精算を減らし、クレジットカードや電子決済を利用し、デジタル化する
  • (2)経理担当者を複数人にする
  • (3)経費の処理についてルールを明確にする
  • (4)定期的な内部監査を行う
  • (5)経費不正について社内研修をおこなう
  • (6)経費不正に関する懲戒処分を社内で公表する

 

それぞれご説明します。

 

5−1.(1)現金での精算を減らし、クレジットカードや電子決済を利用する

現金の場合は、追跡が困難なため不正を隠しやすい傾向にあります。クレジットカードや電子決済を利用することで、取引履歴を残すことができ、お金の流れをより透明化することができます。印紙の購入など、どうしても現金での対応が必要なものもありますが、できる限り現金での経費精算を減らしていくことが大切です。

 

5−2.(2)経理担当者を複数人にする

経理担当者が一人の場合、不正が生じやすく、また不正行為の発覚も遅れてしまいます。そこで、複数人を経理担当者にすることで、横領の心理的な抑止力となり、また実際に不正があった場合も、すぐに気づくことができます。

 

5−3.(3)経費の精算についてルールを明確にする

経理の精算のルールの明確化も、不正防止のうえで重要となります。経費として認められる金額の上限や、種類、申請手続きなど、ルールを明確化しておくことで、不適切な経費や、過剰な申請を防ぐことができます。

 

5−4.(4)定期的な内部監査を行う

経費の精算について定期的な内部監査を行うことも、不正行為の抑止力となり、また不正行為の早期発覚に繋がります。

 

5−5.(5)経費不正について社内研修をおこなう

経費に関する不正行為について、社内で研修を行うのも一つの方法です。研修を行うことで、経費不正が会社や社員にどのような影響を与えるのかを理解してもらうことが大切です。

 

5−6.(6)経費不正に関する懲戒処分を社内で公表する

社内で経費に関する不正があったときは、正しく懲戒処分を行ったうえで、それを社内に公表することも必要です。懲戒処分を公表することで、会社が不正に対して正しく対応していることを他の従業員にも理解させ、また、経費の不正に対して厳罰で臨むという会社の姿勢を示すことができます。

 

参考

▶参考情報:懲戒処分の公表については以下の記事で詳しく解説していますのでご参照ください。

懲戒処分の公表!判断基準や違法となる場合を判例付きで解説

 

6.経費の不正に関して弁護士に相談したい方はこちら

経費の不正に関して弁護士に相談したい方はこちら

最後に、咲くやこの花法律事務所のサポート内容をご紹介します。

咲くやこの花法律事務所の業務上横領に関する被害企業向けサービスについては、以下の動画でサポート内容や強み、実績などをご紹介していますので、あわせてご参照ください。

 

 

▶参考業務上横領に強い弁護士への被害企業向け相談サービス【咲くやこの花法律事務所】

 

6−1.経費の不正行為に関するご相談

咲くやこの花法律事務所では、社内で経費に関する不正行為が発覚した際の対応方法についてのご相談をお受けしています。

経費に関する不正行為が発覚した際は、まず迅速に証拠収集と調査をすすめていく必要があります。初動の対応を誤ってしまうと、証拠を隠滅されてしまい、被害の回復が困難になってしまうことが少なくありません。早い段階で、従業員の不正行為について専門性のある弁護士に相談することが重要です。

咲くやこの花法律事務所では、従業員の横領行為や不正行為について、被害企業から多数のご相談をいただき、解決してきました。経費に関する横領や不正については、経験と実績が豊富な咲くやこの花法律事務所にご相談ください。

 

咲くやこの花法律事務所の弁護士へのご相談費用

●初回相談料:30分5000円+税(顧問契約の場合は無料)

 

6−2.顧問弁護士によるサポート

咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスでは、ご予約なしでいつでも弁護士に相談することが可能です。顧問弁護士サービスをご利用いただくことで、経費に関連する不正行為等への対応、予防策に関する相談等についても、社内事情に精通した弁護士による迅速な対応が可能です。

 

咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスの費用例

●月額3万円+税~15万円+税

 

参考

▶参考情報:咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスについては、以下の顧問弁護士サービスサイトで詳しく説明していますので、ご覧ください。

実績豊富な顧問弁護士をお探しなら大阪の咲くやこの花法律事務所

 

また、顧問契約をご検討中の方は、無料で弁護士との面談を実施しておりますので、気軽にお問い合わせください。

 

業務上横領に関するお問い合わせ業務上横領に関するお問い合わせ

 

7.まとめ

この記事では、会社経費に関する横領や不正について解説しました。

経費に関する横領や不正の典型例として、以下のものが挙げられます。

 

  • (1)会社の経費で大量に切手や印紙を購入し、換金する
  • (2)取引先と共謀して自社に架空請求や過大請求をして利益を得る
  • (3)業務に関係のない飲食代を経費として請求する
  • (4)交通費の不正申請
    など

 

これらの不正行為については、以下の犯罪が成立する可能性があります。

 

  • (1)業務上横領罪(刑法253条)
  • (2)背任罪(刑法第247条)
  • (3)詐欺罪(刑法第246条)
  • (4)私文書偽造等罪(刑法第159条)、偽造私文書等行使罪(刑法161条)

 

そして、実際に社内での経理の横領や不正が発覚した場合は、会社は以下の手順で対応していくこととなります。

 

  • (1)調査をして証拠を確保する
  • (2)本人からの事情聴取により横領を認めさせる
  • (3)懲戒解雇・普通解雇・退職勧奨等により雇用を終了する
  • (4)返済方法を協議する。返済に応じないときは訴訟を提起する。
  • (5)必要に応じて刑事告訴を検討する
  • (6)社内・社外への説明をする
  • (7)再発防止策を策定・実行する

 

この時、事情聴取で本人に横領を認めされることが出来るか否かが、今後被害を弁済してもらえるかのカギとなります。

また、不正を防止する方法としては、以下の対策が挙げられます。

 

  • (1)現金での精算を減らし、クレジットカードや電子決済を利用し、デジタル化する
  • (2)経理担当者を複数人にする
  • (3)経費の処理についてルールを明確にする
  • (4)定期的な内部監査を行う
  • (5)経費不正について社内研修をおこなう
  • (6)経費不正に関する懲戒処分を社内で公表する

 

経費に関する不正は、会社にとっても重大な問題となり、迅速かつ的確な対応が求められます。自己流で誤った対応をしてしまい、被害回復が困難になってしまう例も多いです。不正が発覚した場合は、すぐに専門性のある弁護士に相談することをおすすめします。咲くやこの花法律事務所でも、横領行為や不正行為の被害に遭った企業に向けて、被害回復のための専門的なサポートを提供していますのでご利用ください。

 

8.【関連】横領に関するその他のお役立ち記事

この記事では、「経費の横領や不正とは?典型的な手口と発生時の対処法や防止策を解説」について、わかりやすく解説しました。以下では、横領に関連するお役立ち記事を一覧でご紹介しますので、こちらもあわせてご参照ください。

 

業務上横領の証拠がない場合はどうする?対応方法について詳しく解説

業務上横領で警察は動かない?被害届が受理されない場合の対処法を解説

 

記事作成日:2025年4月9日
記事作成弁護士:西川 暢春